カート用４ストロークエンジン作業記録

今回のエンジン整備

新東京前に一度メンテしたエンジンですが、また全バラです。

 

タイミングギヤのキーにかかる負荷が大きすぎてガタが大きくなって、それが異音となっていました。

この影響で、カムタイミングはすこしズレていましたが、カムが遅れて良い結果にはなっていないので、

このカムは遅らせるより、ゼロ～進角させる方が良いようです。

 

元々手で簡単にはずせるくらいのクリアランスがあるので、力は半月キーにのみかかってしまいます。

クランク軸もあまり硬くありませんので、力がかかっていると変形と磨耗でガタガタになってしまいます。

これは、強化バルブスプリングの影響もありますので、対策が必要です。

メッキで径を調整して、圧入に切り替えるか、

寿命まで外す必要はないので、シムを入れて溶接固定してしまった方が良さそうです。

 

シリンダーはホーニングして調整してあったのですが、かなり減ってます。

油膜切れを起こしているようですので、やっぱり重いオイルに変えた方が良さそうです。

 

 

 

レンタルカートフェスティバル

レギュレーションが発表されていました。

WFはレギュレーションに入っていませんのでさらっと読んで終了。

チェック可能なほかのレースはK-TAIをベースにしているので、

入っていないのはレンタルカートフェスティバルだけかな？

参加予定はないので、特にアピールする必要はなさそうです。

あくまでレンタルカートのレースですからね。

キャブレター再選定

高回転仕様ということもあり、2009年6月から使い始めたCR-MINIの性能限界が来てしまったようです。

ずっとCR-MINIでしたが、200ccでも8000回転以上だとさすがに流速オーバー

MJNなのでニードルを変えることも出来ず、お手上げです。

 

CR-MINIはラフなアクセル操作でもツキがいいのは助かるのですが、

大口径でアクセルコントロールしてもらったほうが加速も良くなるし、

必要以上に踏み過ぎなければ確実に燃費も良くなるような気がします。

 

ということで、現在CR26を準備中。

空燃比を考える

論理空燃比は本当に14.7なのかな？と感じたので一応計算してみました。

WFはかなり燃費の悪いエンジンなので、

燃費を抑えるための基礎知識としてきちんと理解しておく必要があります。

燃費向上の為のECU計画は中断しているけど、まだ諦めていませんからね。

 

空燃比はA/Fと表記されるように、燃料１ｇあたり、空気が14.7g必要ということで、

この数値を論理空燃比と呼ぶのだそうですが・・・

空気の質量ってことは、空気に含まれる酸素量が変わったら必要な空気は14.7gではなくなってしまいます。

必要な公式を調べて計算してみると、環境の変化で論理空燃比は５％以上変化しそうですが・・・

正しいかどうかは専門家に聞いてみないとわかりません。

 

あと、空燃比計が検出するのは排気ガスの酸素量だから・・・

設計次第で充填効率も変わってきますので、効率のいいパワー空燃比は変わります。

このあたりはエンジンベンチで回しながら測定して補正していくしか無いのでしょうね。

 

高回転エンジンには厳しいのには変わりはありませんが、

今後のスポーツカートの方向性が燃費競争になるのであれば、

ECUのデータを高精度で管理することで、なんとかなる可能性もあります。

 

来年は・・・

そろそろ来年の事を考える時期です。

大きな判断として、継続するか撤退するか決めないといけません。
エンジンが売れていないというのは事業としてどうなのかと。
やり方がまずいという点もあるけど・・・
新規事業は２年を目安にしてやっているので判断する時期です。
安全な選択は、現状ではノーマルKX21とチューニングGX270の２択状態が続くと思うので、
あまり見通しは良くありません。

WFはGX270とバトルできるレベルにまで達しましたし、
あとは燃費を向上させれば十分楽しめるエンジンなのを確認できていますので、
継続する価値はあると思います。

不安な点もいくつもあります。
レース用でチューニングしてつかうのだから、使う人の自己責任になるけど、
出荷状態で耐久用として使うのはすこし無理があるかな？というイメージがあります。
これはどのエンジンでも同じだと思うけど、
米国製というイメージもあるので、国産以上の安心感が無いと難しいのかも。
信頼性を上げれれば良いけど、そこまで考えるとさらにコストがかかりますので、悪循環です。


撤退という選択肢は心苦しいけど、仕方ありません。
本職の方でここ数年のツケを清算できたら・・・とも考えたけど、
生活に直結するのでケジメをつけないといけません。

継続という選択肢は継続可能な関連事業を考えないといといけませんが、
そう甘くは無いというのが現実です。

オイルはどうしよう

エースエンジンのメカノイズが大きく感じたので、重いオイルを使ってみたいのですが、

考え方は色々あるので、どうするかの方針は決まっていません。

次回のレースはとりあえず現状維持。

オイルが適切でない可能性も考えられるのでとても心配です。

 

9月4日 秋ヶ瀬スポーツカート走行日

秋ヶ瀬シリーズが不成立となり、

宙ぶらりんとなったスケジュール。

台風が来ていたので仕方ありません。

せっかくなのでWF2台を持ち込み、こっそり1時間耐久を開催しました。

 

エースエンジンの方は、フレーム修理・エンジンマウント強化で絶好調

予備エンジンも頑張っています。

 

どちらもいいタイムで周回を続けますが・・・

30分の時点で予備エンジンのほうがチェーンはずれ。

やっぱりこのマウントだめですね・・・

急いで修理してリスタート。

 

どちらも無事1時間走りきりゴール。

 

ノーマルとの性能差も確認できて、良いテストになりました。

エンジンマウントプレート

材料が届いたので早速製作。A2017（ジュラルミン）です。

前後の移動量がよくわからないので、とりあえず6mmピッチで８ポジション使用できるようにしました。

合計20箇所も手でタップを切ると疲れます。

さすがに、タッパーは欲しいと思いました。

位置決めもCNCで・・・というのは贅沢ですね。でもそのうち・・・

20mm厚で1キロ以上あるので、時間があるときに軽量化版も作ります。

これで今回予定していた一通りの作業は完了かな？

あ、肝心のエンジンメンテがまだ手付かずだ・・・

 

 

新東京の写真２

 

オレンジと黒は塗りで、クリヤー無しのソリッドですがテカテカです。

でも、良く見ると素人塗装・・・

 

走行後、特にダメージ無しでしたので今回は補修の必要はなさそうです。

タイヤとの接触跡はありましたが、溶剤で拭いたら綺麗に取れました。

この塗料は少量なら溶けません。

 

今回のエースエンジン。見た目はCR-MINIが付いている以外はノーマル。

中身は部品交換と調整のみで、簡単な加工以外していません。

クランクケースカバーのボルトを、インチからミリに変えたぐらいです。

シリンダーのホーニングとバルブシートの調整は自社設備で出来ますが、

工具が高いので、普通は内燃機屋さんに頼んだ方が確実です。

現状のエンジンなら、組み立て技術さえあれば、誰でも同スペックのエンジンになります。

今回は最大8600rpmまで使っていました。

いいタイムが出ている周回は平均8500rpmくらいです。

270ccとのパワー勝負にこだわり、高回転でかなり濃い状態ですので、

このエンジンでは4回給油は無理です・・・

AS東日本シリーズ第4戦（新東京）

高回転エンジンの実力を新東京で試してみたいという事もあり、エースエンジンでの参戦。

グリッドは2番目という幸運。

しかし後ろには怖い270ccが・・・

 

SCは多くでましたが、給油可能台数少ないのでタイミングが難しい。

でも、しばらくトップを独走できてよかったです。

 

タイミングよく給油を済まし、入賞を狙える位置にいましたが・・・

チェーンはずれで後退。

 

その後は問題なく周回し、10位完走。

 

高回転エンジンなら、GX270にも・・・という希望もあったけど難しい。

チームとしては攻めのレースを好みますので、

信頼性を維持できる限界を見極めるまで高回転化するつもりです。

10000rpmオーバーでダメなら諦めがつくかな？

 

言い訳になりますが、

エンジンマウントの見直しも必要だし、フレームに難が・・・

エンジンの前にやる事はいっぱいです。